道の空なかぼんの見聞思想録
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Date 2007 ・ 09 ・ 01 虹と共に消えた恋
今夜、車のラジオから流れて来た曲の題名です。
夜風に気持ちが凪いでいたからでしょうか。 その語感は水面の落ちた小さな水滴のように、僕の体に静かな波紋を広げてくれました。 この曲の本来の題名は『GONE THE RAINBOW』といいます。 それを意訳して、この題名が生まれました。 きっとこの邦訳をした人は、この曲が好きだったんでしょうね。 そうでなければ、こんな心の温度を感じられるような言葉は作れないはずです。 血の通った言葉とは、喜びの表現にしろ悲しみの表現にしろ、温かいものです。 かつてどこかで、『言葉は文化そのものだ。』という台詞を聞いた事があります。 例えば日本語には雨を表す言葉だけでも、『大雨、小雨 時雨 梅雨 五月雨 春雨 秋雨 天泣 泥雨 怪雨 半夏雨 虎が雨 りん雨 霧雨 凍雨 夕立』等々、まだまだ書き切れないくらいの沢山の語彙があります。 日本人が自然とそれを表す言語に対して、どれほど鋭敏な感性を持っているかが伺えますね。 そのように、言葉とは大きな視点では民族や国家などを、細やかな視点では一人の人間が持っている精神的な厚みや豊かさを量る指標になるとも言えます。 さて、半年程前でしょうか。 私立大学の約20%の学生の語彙は、中学生並だという統計が発表されていました。 不幸な事ですね。 人間は言葉によって様々な事象を分類し、世界を認識してゆきます。 故に、語彙が少ないということは、その人の持つ世界が浅く狭いという事を意味します。 そういう事を考えていると、幼い頃に親や教師が『本を読め。』と言っていた意味が、分かる気がします。 生きた言葉を、体に染み込ませる。 大切なことですね。 しかし、僕ら社会人も学生の事を嘆いてばかりいられません。 『悪貨は良貨を駆逐する』とはよく言いますが、『悪語は良語を駆逐する』という表現もあながち間違っていないように思える出来事が、社会人になってからも多々あります。 例えば、以前も書いたかもしれませんが、『お疲れさまです。』という言葉は悪語の一つでしょう。 朝一に会っても『お疲れさまです。』、昼に会っても『お疲れさまです。』、夜に会っても『お疲れさまです。』、電話の第一声で『お疲れさまです。』、そして別れ際にも『お疲れさまです。』。 この便利過ぎる言葉は、一体何なのでしょう? 挨拶とは、礼儀の基本です。 ですから、基本的には最上級の表現を用いるべきです。 そして、そこから状況や相手との親密さによって、段々と砕けた表現を使う事によって、逆説的に円満な関係を気付いてゆくということができるのです。 例えば別れ際の挨拶には、『お疲れさまです お先に失礼します お気をつけて さようなら バイバイ またね じゃあね おやすみ』、パッと思いつくだけでもこんなにも様々表現があります。 それぞれ礼節や心遣い、親愛さなどを含んだ良い言葉ですね。 それなのに、なぜ機械的な表現として『お疲れさまです。』を使ってしまうのか。 誠に、悲しい限りです。 たかが言葉。 されど言葉。 言葉を大切に。 追伸:若い女の子は『超かわいい』という便利な言葉を多用しますね。あれは古語でいうところの『いとおかし』に通ずるものがありますね。そう考えると、風流に聞こえてくるから不思議です。言葉はほんと、いとおかし。 ↑1読につき1クリックお願いします。 スポンサーサイト
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Author:中山保寛(なかぼん) 最近の記事最近のコメント全記事(数)表示アクアリウムFC2カウンターメールフォームRSSフィード |
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[267]Not Subject
語彙の少なさを感じるヒトっているよね。
私も、いい大人だし(笑)そうならないように気をつけなくては。
やっぱり、読書しない子が増えているからなのかな?
[268]Not Subject
確かに読書も関係あるかもしれません。
ただ、読書によって言語力を鍛えられていないという以前に、そもそも読書に必要な『物をじっくりと読む込む力』、言葉を変えれば、探究心や忍耐力が無いのではないのでしょうか。
昨今多々起きている衝動的殺人も、そこら辺の問題が絡んでいるような気がします。
[269]Not Subject
俺「やべー」が口癖みたい。
いいことも悪いことも、うまいもまずいも。
これはやべーな。
最初はほんの出来心だったんです・・・。
[270]Not Subject
98AP069君。
夏休みが明けたら、少し大人になりましたね。
先生は、「やべぇ、こいつ成長している。」と思いました。
自分の悪いところに気がつくのは、とでも大切な事です。
けれど、98AP069君の場合は、『やべぇ』の後に、うめぇや可愛いという主語省略系の文章が続くので、『やべぇ』は感嘆詞の扱いになります。
その場合は、間違いではありません。
ですから、今後も自信を持って使い続けてください。
しかしながら、98AP069君の場合は他の問題があります。
席替えで、隣りにべっぴんやボインが来たとき、授業中も視線が釘付けなのはいけません。
ちゃんと授業を聞いて聞いてください。
それと、ゴキブリを見て、アタフタするのもいけませんね。
その2点さえ直せれば、タフガイ通信簿で4をあげられます。
ちなみにタフガイ通信簿で5を貰えたのは、北方謙三氏、勝新太郎、スティーブン・セガールの三人だけです。
彼らに負けないように、精進してください。
[271]Not Subject
この間、なかぼんさんがおっしゃっていた石神井川を通りました、
目的は氷川台の近くにある、城北中央公園に行く為だったのですが、その沿いに
石神井川をとおりました!! なるほど、これをずっと下って行くのですね。
こじんまりしていて、どこか善福寺川にも似た感じで、こういうの、好きです。
是非次は石神井川メインでお出かけしてみます。
ところで氷川台の石神井川沿いの古びた立体駐車場の一階は子供達のすごい遊び場!?
がありまして。自転車では見落としそうなのですが、言葉では言い表せないスポットです。
うーん日本の言葉って奥深く、間違っているのに通じてしまうところから、
だんだん本来の意味語源を知らなかったり、忘れ去られてしまったりしてますね。
自分もそういうことが多々ある気がします。気をつけないと。
昔、一緒に居た人からよく、言葉づかいを注意されました。
そしてその人はよく、言葉がもっている本来の意味を話していました。
このテーマで思い出しました。