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No. 168 (Tue)
dayline

Date 2008 ・ 07 ・ 22

ピース!

「今、今だ!今この瞬間だ!」
そう思う風景がある。
「今、今だ!今、この瞬間だ!」
そう思う光景がある。
「今、今だ!今、この瞬間だ!」
そう思う風がある。
「今、今だ!今この瞬間だ!」
そう思う音がある。
「今、今だ!今この瞬間だ!」
そう思う言葉がある。
「今、今だ!今この瞬間だ!」
そう思う沈黙がある。
「今、今だ!今この瞬間だ!」
そう思う人がいる。
「今、今だ!今、この瞬間だ!」
そう思う瞬間が、確かにある。

『思い出は雪だから、透き通った水へ、還ってゆくだけ。』
そう歌ったのはベンジー。
確かにそうかもしれない。
降り積もった感情の雪はどれだけ深く高く積もろうと、いつしか溶けて水となって流れてしまうものだ。
けれど、だけれども、その水は、時に川になり、時に地下へ注ぎ、時に海になり、時に井戸を潤し、沢山の冒険を経て、いつしか僕の体に流れ込む。
そして僕を形作る、60兆の細胞の一つとなる。

ユキ「ただいま。」
なかぼん「お帰り。」
ユキ「憶えていてくれたんだ。」
なかぼん「ああ。でも君が雪だった時の結晶の形は思い出せない。」
ユキ「それは忘れてしまったって事と同じじゃないの?」
なかぼん「いや、違うんだ。確かに不確かだ。不確かで不鮮明だけれども、でも君が雪だった事は憶えてる。」
ユキ「それは形の話ではなくて、本質的な話なのね?」
なかぼん「そう、『本質的な話』なんだ。君は具象としては雪ではなくなったけれど、僕の中では雪のまま、概念として残っているんだ。」
ユキ「随分難しい話ね。よく分からないけど、それは『大丈夫』ってことかしら?」
なかぼん「そのとおり。大丈夫だ。僕は大丈夫。君も大丈夫。みんな大丈夫。ピース!」
ユキ「ピース!」
なかぼん「そうだ、いいもの見せてあげるよ。」
ユキ「ん?写真?何これ?雪だるま?もしかして私で作ったの、これ?」
なかぼん「もちろん。だって雪だるまだもん。雪と言ったら、雪だるまでしょ。」
ユキ「私を・・・、もてあそばないで!酷い、酷いわ!私、女の子よ。それを『だるま』だなんで・・・。あなたにデリカシーってものは無いの?最低よ!バカ!」
なかぼん「・・・。そんなに熱くなると、蒸発しちゃうよ。」
ユキ「じゃあ蒸発する前に、珈琲にでもしてちょうだいよ!」
なかぼん「やれやれ、確かにこれはだるまかもしれない。でも、僕は雪だるまは好きだよ。とても平和的だ。例えば、戦場に雪が降っても、弾丸が飛び交う中で雪だるまを作る兵士はいない。その瞬間が平和でなければ、雪だるまは存在し得ないんだ。だから僕は雪だるまを信じる。ピース!」
ユキ「ピース!」
なかぼん「もう少し雪だるまの写真について話してもいいかな?」
ユキ「いいよ。沸騰も収まったし。」
なかぼん「それは良かった。でね、なぜ雪だるまの写真を撮ったかというと、それは忘れない為なんだ。僕らは沢山の記憶を持っているけれど、今この瞬間の全てを克明に覚えている事は出来ない。もしそんなことになったら、頭がパンクしちゃうからね。だからその瞬間の大部分を思い出の箱に詰めて、戸棚の中にしまっておくんだ。そしてその箱の中身を象徴しうる表題を、抽象的な鍵に置き換えて、キーボックスに並べておく。そして僕は写真家だから、その鍵を雪だるまとして、印画紙に定着させたんだ。もちろん平和的に。」
ユキ「またしてもよく分からないけれど、要するに、私を大切に思っていてくれるってことね?」
なかぼん「あぁ、大切に思ってる。だって君は君であり、僕でもあるんだ。記憶は僕自身なんだ。」
ユキ「そうなの?」
なかぼん「例えば、『Eternal Sunshine』という映画がある。それは失恋の辛さから、恋人と過ごした日々の記憶のみを消し去ってしまった女と、今まさにそれを消し去ろうとする男の物語なんだ。そしてそんな事をしたらどうなるか。この映画にはその結果が描かれている。観てもらえば分かると思うけれど、それはけっして正しいことでも、幸せなことでもないんだ。良い事も悪い事も、嬉しい事も悲しい事も、崇高な事もくだらない事も、美しい事も醜い事も、全ての記憶が今の僕を形作り、そして未来への扉を開く為の鍵になるんだ。僕は僕自身を引き受けなければいけないし、引き受けるべきなんだ。」
ユキ「またまたよく分からないけれど、そう言われると、忘れてしまう事が、なんだか怖い気がするね。」
なかぼん「大丈夫。記憶は無くならないから。それはちゃんと脳生理学的に立証されている。ただ思い出の箱の鍵を作って、それが行方不明にならなようにきちんと整理しておけばいいだんよ。問題はみんな鍵が上手く作れなかったり、物陰において見失ったりするから、困ってしまうんだ。そして僕は鍵作りとその整理の名手なんだ。なにせ写真家だからね。だから君は安心していいんだよ。」
ユキ「ふ~ん。私、ラッキーかもね。ピース!」
なかぼん「ピース!ところで、喋り過ぎて喉が渇いちゃったよ。そろそろ君を飲んでもいいかな。もうとってもカラカラなんだ。」
ユキ「あなたがそれを必要とするなら。潤うことで、写真が撮れるのなら。そしてそれはあなたの為でもあり、私の為である。そういうことでしょ?」
なかぼん「そういうことだ。じゃあ、飲むよ。」
ユキ「次会うときは、また雪になってるかもね。じゃあね。またね。バイバイ。」
なかぼん「・・・。」
なかぼん「・・・。」
なかぼん「・・・。」
なかぼん「・・・。」
なかぼん「・・・。」
なかぼん「ぬ・・・、ぬるい。」


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スレッド:モノの見方、考え方。 // ジャンル:心と身体

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